フラガール [映画/DVD]
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雨が降ったり強い風が吹いたり
天候に恵まれなかった土日だったけれど、やっと少し空が明るくなってきた
あちこちの桜がいつの間にかほぼ満開になっている
今年の新入生は、入学式に桜が満開で良かったね
もう葉桜になってしまった地方も、まだ桜はつぼみの地方も、日本全国すべての入園式、入学式、入社式のみなさん、おめでとうございます
DVDで「フラガール」を観た
もう10年前の映画で、フラダンスブームも起きたと聞くので観た方も多いと思うが、私はまだだった
この映画は、劇場公開された2006年度の、第80回キネマ旬報ベストテンで邦画第1位、第30回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した作品
主演は、松雪泰子、蒼井優
共演は、豊川悦司、富司純子、岸部一徳ほか
監督は、李相日
2006年公開
舞台は昭和40年代
福島県いわき市の炭鉱町に町おこし事業として立ち上げられた「常磐ハワイアンセンター」(現在の「スパリゾートハワイアンズ」)にまつわる実話を基に描かれている
炭鉱の規模縮小で仕事を失う人々の苦悩
この地で生きて行くため新しい活路を見出しそれを何とか成功させようとする人々
そして、自分の人生を自分で切り開こうとフラダンサーになるべく猛特訓する町の少女たち
期待していた通り、とても感動した
ストーリー展開も、小さなエピソードがすべてラストへとちゃんとつながっていて、とても気持ち良かった
ユーモアもたっぷりあって笑えたし、ただの根性ものやサクセスストーリーとも違っていた
でも何といっても、主人公の紀美子役の蒼井優ちゃんの素朴な演技と終盤の熱演、目を見張る迫力あるダンスシーンに圧倒された
蒼井優ちゃん、10年前だからまだあどけなさが残っていてかわいい!
でも演技もダンスもすごい!
ますます好きになってしまった
それから、主人公の母親役の富司純子さんも、素顔は美しく着物を着こなす上品な歌舞伎俳優の奥さまだろうに、すっかり炭鉱のたくましく真っ黒になって働く女になっていて、改めて女優さんってすっごーいと思った
特に、終盤で娘の紀美子の踊る姿を見て、その後に語る台詞、、、
もう、娘に対する母親の心情がわかり過ぎるほどわかって、思わず泣いてしまった
そうなんだよね
自分が歩いてきた人生と同じように娘が生きるとは限らない
と言うよりも、同じ価値観で同じように生きるはずがない
娘は娘で、自分で自分の道をもがいて苦しんで見つけ出し、生きて行くしかないんだよね
ちなみに、現在の本物のフラガールたちは、5年前の大震災の時、大きな被害を受けながらも「フラガール全国きずなキャラバン」を結成
常磐炭鉱が次々と閉山していった時、町や家族を救うため立ち上がった当時のフラガールたちの精神を引き継ぎ、また震災復興への願いを込め、日本各地をまわって公演したという
がんばっぺ フラガール! ―フクシマに生きる。彼女たちのいま―【DVD】
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
ふーーーっ(ため息&にっこり)
観終わって、「観て良かった! もっと早く観たかった!」と思える、いい映画だった
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [映画/DVD]
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先月、スプーンさんのブログ「今日も楽しく元気で歩こう~♪」で「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」という映画の紹介をされていて、気になっていた
ライトノベル並みに長いタイトルのこの映画は、9.11のアメリカの同時多発テロを題材にしたもので、トム・ハンクスが主人公の父親役で出演しているという
うん、やっぱり気になる
そこでDVDで、この「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を観た
2011年(日本では2012年)公開
原作は、ジョナサン・サフラン・フォアのベストセラー小説「Extremely Loud & Incredibly Close」
主演は、トーマス・ホーン
共演は、トム・ハンクス、サンドラ・ブロック ほか
監督は、「リトル・ダンサー」「愛を読むひと」のスティーヴン・ダルドリー
9.11の同時多発テロで、大好きな父(トム・ハンクス)を亡くした少年オスカー(トーマス・ホーン)は、母(サンドラ・ブロック)や周囲に心を閉ざしてしまう。
ある日オスカーは、亡くなった父の部屋にあった遺品の中から、偶然見たことのない鍵を1本見つける。
その鍵には父からのメッセージが託されているのではないかと考えたオスカーは、広大なニューヨークを歩き回り、鍵に合う「鍵穴」を探す旅を始める。
そして手掛かりとなる人物を見つけるため見知らぬ人々を訪ねて行くが、そこには・・・
とにかく、主人公のオスカー役のトーマス・ホーンくんの一見にして聡明だと分かる顔立ちと、瞳の色の美しさに目を奪われた
彼は、これが映画初出演だと言うから驚き
でも、そう言えばどこか素人っぽい部分も感じられて、それが映画にドキュメンタリー的な手触りをほんのりと持たせて、逆に効果的だったような気がする
それにしても、ほぼ素人の少年が映画初出演で主演だなんて、何という大抜擢!
映画制作スタッフは彼の才能を見抜いて、それを更に引き出したんだろうね
映画を作る人達ってやっぱりすごいなあ!
そういえば、この映画を観終わって気がついたのだけれど、この映画の監督は、10年ぐらい前に観た「リトル・ダンサー」のスティーヴン・ダルドリー監督だった
「リトル・ダンサー」も主人公が少年だったけれど、この監督は少年の多感で繊細な心の動きを表現するのが上手だなあ、と思ったよ
それから、悲愴な体験の後遺症で声を出すことのできない、少年オスカーの祖母の家の「間借り人」(マックス・フォン・シドー)の、謎めいた存在感がとってもよかった
明らかに彼が、この映画のキーマンだった
そして物語終盤のオスカーと母親(サンドラ・ブロック)が心を通わせるシーンは、もう涙なしには観られなかった
うちの娘は、この主人公の少年オスカーに似た部分を持っていて、それが重なって胸が締めつけられた
ただひとつ欲を言えば、オスカーが訪ねる先々で出会い交流した人たちとのエピソードを、もういくつか少し詳しく見せてほしかったな
そうすればもっと終盤のシーンに思い入れができて、感動が増したかも
でもそれ以外は、いろいろと考えさせられる、とてもいい映画だった
特に子を持つ人はきっと感動すると思う!
(スプーンさん、改めてありがとうございました)
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映画の日に「オデッセイ」を観た [映画/DVD]
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昨日、数年ぶりに高校の友達に会いに行った
ちょうど昨日は1日で「映画の日」だったので、映画を観ることにした
ふたりともまだ「オデッセイ」を観ていなかったので、即決だった
「オデッセイ」は今年度のアカデミー賞の7部門でノミネートされた作品
話題になっていたので、観るのがとても楽しみだった
原作は、アンディ・ウィアーの小説『火星の人』
主演は、マット・デイモン
監督は、「エイリアン」や「ブレードランナー」を手掛けたリドリー・スコット
2015年(日本では2016年)公開
舞台は火星。
宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)は探索中に死亡したと思われ、仲間の乗務員たちは火星を去る。
ところが奇跡的にも彼は生きていた。
そこから始まる、主人公のサバイバル生活。
空気も水もなく通信も遮断され、食料は残りわずかという絶望的な状況下で、マーク・ワトニーは救助される日を信じ、なんとか生き延びようとする。
そしてその頃NASAでは・・・
といったストーリー
もう、主人公のめちゃくちゃポジティブな思考と頭脳と行動力に、圧倒された
シリアスな状況下でありながら、ジョークを飛ばし、ユーモアをもってひとりで困難に立ち向かう姿は感動的だった
仲間の飛行船乗組員たちとの信頼関係も、大きく胸に響いた
主人公マーク・ワトニー役のマット・デイモンは、アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたものの受賞は逃したけれど、私は、この作品で彼が受賞してもおかしくないと思ったな!
まあ、レオナルド・ディカプリオも何度もノミネートされながら、主演男優賞受賞は今回初めてだったのだから、仕方ないかもしれないけれど
そうそう、後、印象に残ったのが音楽
画面に広がる壮大で美しい宇宙空間や異星の地にとてもしっくり来る、美しいサウンドトラックだった
それに孤独な主人公が仕方なく聴く音楽が、船長が置いて行ったアメリカ70年代の懐メロ(ドナ・サマーの「Hot Stuff」やアバの「Waterloo」などなど)っていうのが、なんだかとてもおもしろかった
最後の方、デヴィッド・ボウイの「Starman」も流れたよ!
「オデッセイ」とは、ギリシャ語で「長い冒険の旅」「行きて帰りしもの」という意味なのだそう
まさにこの映画そのもの
観終わった後、前向きになれて元気が出る、いい映画だった
もう一回観たいな!
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