エル・アナツイ展 [ヨーロッパ2019]
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ガーナの彫刻家、El Anatsui(エル・アナツイ)の展覧会に行ってきた
この街の現代美術を扱う有名な美術館、「Haus der Kunst(ハウス・デア・クンスト = 芸術の家)」で、今開催されている「エル・アナツイ展」
この美術館は、毎月第一木曜日が入館料無料という太っ腹!
しかも夜の10時まで開いている
先週の木曜日の夜8時に夫が突然「これから行こう!」と言い出した時、実を言うと「え?今から?」と躊躇したのだけれど、行って良かった!
とても良い、そして考えさせられる展覧会だった
(エル・アナツイの作品①)
エル・アナツイ氏は1944年ガーナ生まれ
現在ナイジェリア大学で教鞭をとりつつ、ナイジェリアで創作活動をしている
2007年にヴェネツィア・ビエンナーレに出展したタペストリーの作品で世界中に名前が知れ渡ったという
(エル・アナツイの作品②)
実はこの展覧会に行くまで、エル・アナツイについて何も知らなかった
けれど、会場に一歩足を踏み込んだとたん、両方の壁にかかる巨大なタペストリーに目を奪われれ、一瞬で心をつかまれた
そして、作品に近づいて行った時の衝撃!
このタペストリー、布ではなく何と金属片を繋ぎ合わせてできている!
(エル・アナツイの作品①の細部)
(エル・アナツイの作品②の細部)
心から驚き、思わず感嘆のため息が出てしまった
廃棄物のワインやウイスキーの蓋、ビールなどの王冠やアルミを材料にして、それらを針金でつなぎ合わせ作られた作品の数々
なんと根気のいる作業だろう
(エル・アナツイの作品③)
(エル・アナツイの作品③の細部1)
(エル・アナツイの作品③の細部2)
遠くから見た時何の違和感もなく、布でできた織物にしか見えない
シワの入り具合も絶妙で、この素材はこうあるべきと言う固定観念を覆される
(エル・アナツイの作品④)
近寄って見て、これが何の素材でできているかが分かった時の、トリックを明かされたマジックのような不思議な感覚
廃棄物が、こんな風にアートとして美しく蘇るだなんて
(エル・アナツイの作品④の細部)
ところで、このエル・アナツイ氏について調べていたら、2010年9月~12月に日本でも展覧会が開かれていることが分かった
それが、大阪の万博記念公園内にある「国立民族学博物館」で行われた、特別展「彫刻家エル・アナツイのアフリカ ー アートと文化をめぐる旅」
ええ? 「みんぱく」で? それホント?
昨年の9月に娘と一緒に行ったばかりの所じゃないの!
とぉーっても面白くて興味深くて、たっぷり時間をかけて見て回った
それでも見きれなくて、娘と「またいつか来たいねー」と言いあった場所
なんだか、どこかで導かれている気がしたよ
もちろんエル・アナツイの作品の魅力はこんなものではない
続きはまた次回に