5年前の「あの日」 [ほんのつぶやき]
◇
あの日
大変な事が起こってしまった
震災
津波
原発事故
あの日
電車が止まり、仕事が終わって夕方数駅分歩いて帰宅した
国道沿いに黙々と歩く人の列
渋滞でびくりとも動かない車の列
つながらない携帯電話
まるで以前観たパニック映画のワンシーンそのままだった
家に一番近いトンネルを抜けると、広がる停電で暗闇になった町
点灯していない街灯、信号機
明かりの灯らない家々
生まれて初めて見る異様な光景
家に帰って、家族の安否の確認後、ロウソクと懐中電灯の元で簡単な夕食を済ませた
暖房の無い寒い夜
余震に不安がこみ上げる
実感される、「当たり前の生活」の何と便利でありがたいこと
その後続々と入るニュースに、とんでもない事態が起こっている事実を知り、今生きていることに感謝しなくてはいけないと悟る
そしてその後
計画停電
チェーンメール
ガソリン・灯油不足
食品の流通不足・買占めによる、がらんと何もないスーパーの売り場
放射能汚染の不安
ここよりも被災地に近い方面に暮らす親族への心配
春はもう目の前だったけれど
桜の花芽はしっかりとつき始めていたけれど
すべてがモノクロになってしまったようだった
あの日
あの日から5年
流れゆく歳月
私の中で、何が変わり何が変わらなかったのだろう
目を閉じて記憶を手繰り寄せ、今もう一度自問する
(ついに今朝スナップエンドウの花が開いた)
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